花火師

8月27日(土)「大曲の花火」開催当日。前日までの大雨が嘘のように見事な快晴のなか、花火会場へやってきました!

Contents

  • ①花火ができるまで 2016.8.3
  • ②花火師という仕事 2016.8.10
  • ③新山さんと花火 2016.8.17
  • ④大曲の花火にかけた思い 2016.8.24
  • ⑤いざ、大曲の花火へ! 2016.8.31

⑤いざ、大曲の花火へ!

17時30分。会場が人、人、人で埋めつくされるころ「昼花火」が始まりました。全国でもこの大会だけで行われるという、色とりどりの煙による競技。その独特の風情に、会場も沸き上がります。

そして、日没とともに夜花火がスタート! 全国から集まった28組の花火業者が「10号玉芯入り割物」「10号玉自由玉」「創造花火」の3種の花火を順番に打ち上げ競い合います。
その美しさと迫力は、言葉よりも、ぜひ、写真を通してご覧ください!

そして始まった、大曲花火化学工業(有)の創造花火「輝く星へ感謝を込めて…。」。新山さんが、亡きお父さんへ向けて打ち上げるという花火です。

しっとりとした音楽に合わせて、まさに星の輝く空に、語りかけるようにゆっくりと打ち上がっていく花火。新山さんが一番大事にしている色「炭火色」を基調とした、とてもシンプルな構成で、過剰な装飾がない分、一つ一つの玉に込められた思いがしっかりと伝わってきます。
会場も、それまでの賑やかな歓声から一転、感嘆のため息が聞こえてくるほどでした。

その後、最大の盛り上がりを見せる「大会提供花火」と、秋田県民歌に乗せて打ち上げられるフィナーレの花火が終わると、観客はおもむろに持参したペンライトを出し始めます。

終了後、打ち上げが行われている川の対岸に向けて一斉にライトを降り、花火師たちへの感謝を伝え、一方の花火師たちも赤色灯を降ってそれに応えるのが、この大会の恒例となっているのです。会場が一体になる時間。新山さんの願いのとおり、花火は平和の象徴であることを実感できました。

大会翌日、大曲花火化学工業の創造花火は、見事、準優勝に輝いたとの発表があり、あらためて新山さんに、お話を伺いました。

「じつは最後に少しだけ失敗して減点されてしまって。それさえなければ……という悔しさもありますが、天国の親父もきっと見てくれたんじゃないかと思います。
それでも、割物の五重芯は全然ダメでした……。2年かかるか3年かかるかわからないですけれど、みなさんに『お〜!』と言ってもらえる花火を必ず完成させます!」

花火師という仕事の奥深さを感じながら見る花火は、より一層美しいものに感じられましたが、さらに、最後の会場の一体感と新山さんの力強い言葉に、また来年もここに帰ってきたい! と思わずにはいられませんでした。

<大曲の花火 オフィシャルサイトはコチラ!

花火師さんたちの言葉が
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