街のレストランが
目指したのは
真珠のネックレスでした。
以前、能代市二ツ井町(ふたついまち)には、私の祖母の家がありました。幼いころ、夏休みに遊びに行くと、くしゃくしゃの笑顔で出迎えてくれた祖母。とても料理上手な人で、いつも作ってもらっていた定番のおかずは、かぼちゃの煮物でし…
編集・文:竹内厚 写真:船橋陽馬
2018.08.29
田沢湖といえば、日本一の深さ423mを誇る湖。
と言われても、潜るわけじゃないからな……なんて思っていたら、水深があるからこそ、湖水の色がきれいなブルーに見えるという話を聞きました。
湖観光の定番、遊覧船や足こぎボートなども用意されているのですが、今回はより湖水が近く感じられるカヤックに挑戦してみました。田沢湖には、初心者でもそうしたアクティビティを気軽に楽しむことができる場所があるんです。
田沢湖でのカヌーやカヤック、周辺の山々を訪ねるトレッキング、玉川でのラフティングなど、さまざまなアウトドアツアーの玄関口となるのが「田沢湖キャンプ場」。
冬は、ネイチャースキーやバックカントリーツアーも行っているそうで、まさに界隈のアウトドア拠点となっています。
今回は、カヤックの半日ツアーを体験。もちろん、キャンプ場を使わなくても、ツアーに参加することができます。
案内してくれたのは、昨年春からこのキャンプ場で働くという齋藤直昭さん。
齋藤さんの説明によれば、直径約6㎞の田沢湖は湖岸から500mも内側へ入れば、一気に水深400mに達するそうで、いってみれば断崖絶壁のような湖底の地形です。
そんな話を聞きながら、湖面の上を滑るようにカヤックを漕いでいけば、田沢湖の深さが身をもって実感されてきました。ずっと深いところまで見える透明度の高い湖水に、吸いこまれそうになるほど。
とても透明度の高い田沢湖ですが、戦前に強酸性の玉川の水を湖へ引き込んだことで、ほとんどの生物が死滅。長年、湖水を中和する取り組みが行われ、湖面付近はかなり改善されていますが、水の交換がゆっくりとしか進まない深層水の回復にはまだまだ時間が必要です。
そのため、とても深くて広い湖ながらも、釣り人の姿はなく、水中にもほぼ何も見ることがありません。湖の真ん中へと出るほどに、湖面を独占しているような気持ちさえ覚えます。
「駒ケ岳から吹き寄せる東風が、田沢湖の名物です。あまり沖に出すぎると、風に流されて戻れなくなるので注意が必要ですよ」と齋藤さん。
——カヤック初体験なんですが、意外とすぐに乗れるものですね。
「うちで体験される方は8割が初心者ですね。僕らもガイドという肩書きでいますけど、そこまでかしこまったものでもなくて、一緒に寄り添って遊べたらというフランクな感じ。最低限の安全管理をする役割かなと思っています」
——齋藤さんもやっぱりアウトドアが好きで、この仕事に?
「二十歳のときに自転車で日本一周したり、山に登ったりしてました。秋田は外で遊ぶ環境、アクティビティがいっぱいあることをもっと伝えたいので、いまの仕事は望みどおりですね」
そして、田沢湖の大きな魅力といえば、湖水の色。
湖の場所や深さ、太陽の光、天候、時間帯など、さまざまな要因で変化するのですが、鮮やかな青をベースに、青から緑にかけてのグラデーションの色を見ることができます。
「カヤックで湖に入ったほうが、田沢湖の水のきれいさ、色の変化に気づくことができると思います。日が出ている明るいうちは、すごく気持ちのいい湖ですね」と齋藤さん。
実際、カヤックで進むほどに、同じ田沢湖でも場所によって湖水が変化するのを目の当たりにできます。なんか不思議!
カヤックを体験した後は、車で田沢湖をぐるりと1周しました。「仙北のSOFT5」の記事で紹介したたつこ像、レストハウスといった施設もありますが、もっと湖面を堪能したい向きにはこんな場所もあることをお伝えしておきます。
というところで、夏の田沢湖、その湖面に寄せたレポートでした。
【田沢湖自然体験センター/田沢湖キャンプ場】
〈住所〉仙北市田沢湖田沢字春山152
〈TEL〉0187-43-2990
〈HP〉http://www.tazawako.net/