秋田のいいとこ 旅で出会った、ローカルスタンダード

編集・文:竹内厚 写真:船橋陽馬

にかほのグッドビュー
サエの神と山と海と

2018.09.19

標高2236mの鳥海山は、海岸から頂上まで直線距離にしてたった約16キロだそう。そんな日本海と鳥海山のあいだに広がるにかほ市は、写真に写したくなる風景にあふれています。

にかほで見かけたグッドビューをまとめてご紹介します。

サエの神は、象潟町横岡地区で見られる道祖神で、外から悪いものが入りこまないように村を守るもの。毎年、旧正月の1月15日には独特なサエの神行事も行われてもいるそう。

ゆたかな棚田を背景に、木や石でできた男根型が寄り集まった景色はなんともおおらか。集落の中心を抜けていく道路沿いに4か所、見ることができます。

伝説によれば、横岡の集落は西暦76年には始まった村だとされているそうで、盆の時期に行われる鳥海山日立舞など、古くから伝わる郷土芸能も少なくありません。

サエの神と迎える日暮れもいい。

冒頭にも書きましたが、にかほ市では鳥海山がすぐ間近。多くの場所で東向きに写真を撮れば、鳥海山が絶好の背景となって写りこみます。ゼータクな背景ですね。

これぞにかほという風景。
標高500mの仁賀保高原でも。
仁賀保高原には牧場もあり。
そして、仁賀保高原では本州最大出力の風力発電が稼働中。
海沿いにある道の駅象潟「ねむの丘」の展望台からは鳥海山と九十九島のグッドビューが望める。九十九島についてはこちらの記事を。
その展望台へ昇るエレベーター前には、なぜかサエの神の展示も。

東を向けば鳥海山、そして、西を振り返れば……青々とした日本海。この景観のダイナミズムも、にかほ市の魅力です。

道の駅象潟「ねむの丘」のすぐ真裏は、海を目前にした芝生公園。
この芝生公園、夕方になれば思い思いに人が集まってくる。なんとなく野外フェスのようだが、目当ては……。
これだ!
道の駅に隣接した「にかほっと」で販売しているピザとビール片手の夕日見物。
振り返れば鳥海山に月。芭蕉ならずとも一句詠みたくなる。
日が沈んだ後も立ち去りがたい余韻あり。
こちらは、仁賀保高原から見た日本海。スポットライトのように太陽の光の中に飛島が浮かび上がっていた。

夕日を眺めながらいただいた「きさかたピザ」は、道の駅象潟に隣接した施設「にかほっと」内にあるお店。
ナポリ産の生地に、地元食材を使った窯焼きピザはグッドビューのおともにぴったりです。

この日のオススメピザはスズキとズッキーニ。
すぐに食べたいなら切り売りも。

【道の駅 象潟ねむの丘】
〈住所〉にかほ市象潟町大塩越73-1
〈時間〉9:00~21:00
〈定休日〉第3月曜日(12〜3月)
〈TEL〉0184-32-5588
〈HP〉https://www.kisakata.nemunooka.jp/

【にかほ市観光拠点センター「にかほっと」】
〈住所〉にかほ市象潟町大塩越36-1
〈時間〉9:00~21:00 ※一部18:00まで営業。
〈定休日〉第3水曜日 ※7・8月は無休。
〈TEL〉0184-43-6608
〈HP〉http://nikaho.p2.weblife.me/