見えない物語を魅せる。アウトクロップ・スタジオ、始動。
先日、なんも大学で取材をした「沼山大根」。長い間、その栽培の歴史が途絶えていたものの、数名の生産者の手によって復活を遂げたという伝統野菜です。
編集・文:矢吹史子 写真:船橋陽馬
2020.12.23
「商店街がシャッター通りになった」「子どもたちの遊び場がなくなった」「母親世代の集まる場所がない」。
これらは、全国の多くの地域でも挙げられている課題であり、秋田県能代市も同様。JR能代駅前は、畠町、上町、万町と、古くから商店が軒を連ねていましたが、最近では、その多くがシャッターが閉まった状態。
そんななか、これらの課題に向き合おうと、ある会社が生まれました。「合同会社のしろ家守舎」。この会社で、かつて酒屋だった「丸彦商店」の建物をリノベーションし、地域の拠点を作っていくとのこと。創設メンバーの一人、湊哲一さんにお話を伺いました。
——なんだか、ものすごく理にかなっていますね!完成はいつごろなんでしょうか?
——どんな方が入居されるんですか?
——お子さんのいる利用者には、遊び場もあるので安心ですね。
——この「のしろ家守舎」は、ずいぶん前から計画して生まれたものなんでしょうか?
——「向いている方向」というのは?
——みなさん同世代だったんですか?
——「こうしたい」という思いがあっても一人ではなかなか動き出せないし、どうやって仲間を集めていったらいいかもわからないですよね。思いを同じくした仲間が揃ったというのは恵まれていますね。
ここで、湊さんと一緒にのしろ家守舎を立ち上げた一人、「お仏壇の千栄堂」代表、阿部誠さんがいらっしゃいました。
——商工会ではどんなことを学んできたんですか?
——これまでは、どちらかというと個店としての勉強だったのかもしれませんね。それはもちろん大事ですけれど、町全体の課題をどう解決していくか、というのは根底からやり方を変えないといけない。
——それで会社を作るにまで至ったのですから、意気込みを感じざるを得ません。
——もともとみなさんに、動きたいというエネルギーは十分にあったのだから、動き方のヒントさえもらえたら「あとは力を注ぐぞ!」というふうになって、今、形になってきているのかもしれませんね。
あらためて、のしろ家守舎の目指すところというのは、どういうものなんでしょう?
——何か新しいことを始めると「気になるけど入れない」とか「ちょっと斜めから見てしまう」という人もいますよね。
——講義やセミナーでヒントを得ながらも、実際に動かしていくのはそこに暮らしている人たちの力なんですよね。ここには「なんとかしなきゃ」と、自分たちの力で踏み出した方々がいるのが素晴らしいですね。
——関わりの場ができれば、この場所が自分ごとになっていきますからね。今日伺ってみて、関わっているみなさんが、なんだかとてもワクワクしている感じが見ていて伝わります。
——それは、ここありきで集まってきたんでしょうか?
【のしろ家守舎】
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