山と人の境界。かみこあにプロジェクト。
上小阿仁村(かみこあにむら)八木沢(やぎさわ)集落。ここに暮らしているのは、現在6世帯11人。いわゆる「限界集落」といわれるこの土地で、2012年より「KAMIKOANIプロジェクト秋田」が開催されています。これは、八木…
編集、文:矢吹史子 写真:船橋陽馬
2021.03.03
秋田県大潟村は、1964年、日本農業のモデルとなる農村を作ることを目指して、日本で2番目に大きい湖だった「八郎潟」を干拓して作られた村です。
(大潟村の成り立ちについては、なんも大学記事「ガイドさんは入植者! 干拓博物館で大潟村のリアルを学ぼう。」でもご紹介しています。)
この大潟村を舞台に、2021年1月、NHK-BSプレミアムにて「金色の海」というドラマが放送されました。
(3月5日(金)夜7:30より、ドラマ本編に加え、撮影秘話なども加わった、秋田県域のみの特別版仕様の番組が放送されます。)
ドラマには、「ハチロウボーイズ」という村民たちによるバンドが登場するのですが、じつは、大潟村には、このモデルとなったバンドが存在するんです。その名は「ウキヤガラボーイズ」。
ドラマでは、ハチロウボーイズは、主人公の支えとなるとても大事な役どころとなっていますが、ウキヤガラボーイズはどんなバンドなのでしょう?練習をしているという大潟村公民館へお邪魔しました。
最初に迎えてくださったのは、代表の古谷義信さんです。
——ウキヤガラボーイズは、いつ頃からあるバンドなんでしょう?
——それがウキヤガラボーイズの始まり?
——バンド名の「ウキヤガラ」という言葉が聞き慣れないのですが、これはどういう意味なんでしょう?
——ふだんはどんな曲を演奏されているんですか?
——結婚式?
——週に1度も結婚式が??
——へ〜!!
——今はそういうことはなくなってしまった?
——最近の表立ったところでの演奏というのは?
お話しているうちに次々とメンバーが集まり、練習のスタートです。フルメンバーで9名のところ、今日の練習には7名が参加しました。楽譜にふってある番号を元に「次は何番やる?」と、その場のノリで曲目を決めて演奏が始まりました。
「ラスト・ダンスは私に」「木綿のハンカチーフ」「シクラメンのかほり」「スタジオジブリメドレー」「秋田県民歌」など、間髪いれず演奏が続きます。
なかには、「風よとどけよ、ふるさとへ」というオリジナルの楽曲も。これは、大潟村へ入植した人たちが自分たちのふるさとを思う姿をイメージして作ったといいます。
練習の一部を、動画でもご覧ください。
——そこから、このバンドに入った。
——このバンドは、経験者でなくても「来るもの拒まず」でやってきたんですね。
——先ほど、サックスの田口さんが「間違っても楽しい!」とおっしゃっていたのが印象的でした。
——ドラマの主人公は、バンドに入ることで居場所ができていましたよね。ここはみなさんにとってもそういう場所なんでしょうか。
——だからこそ、50年も続いているんですね。そして、最年少の土佐林さんと最年長の小野さんの年齢差は50歳以上。年代や立場が違っても、音楽という共通点で繋がって、お互いを認め合える、とても素敵な仲間たちにお会いできました。
ウキヤガラボーイズがモデルとなったバンドが登場する 秋田発地域ドラマ「⾦⾊の海」は、3⽉5⽇(⾦)夜7:30から、NHK総合テレビで放送されます。