トージ・コージ!番外編
なんも大学で連載してきた対談記事「トージ・コージ!」。秋田の酒蔵「新政酒造」の古関弘さんと、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんによる、お酒づくりや発酵にまつわるお話をお伝えしてきましたが、じつはこのなかで、横手市増田の「羽場…
編集・文:竹内厚 写真:蜂屋雄士
2018.05.30
由利本荘の住宅街にある一軒家で、厳選した暮らしの雑貨や紅茶を販売している「みつばち」を訪ねた時に、由利本荘で会っておくべき人として、いの一番に名前が挙がったのが村上房子さん。
みつばち店主の猪股さんは、年に1度、4月1日に開かれる「*金浦市」で村上さんと出会って、すっかり意気投合。それ以来、村上さんが作るカゴをみつばちでも取り扱っています。そのカゴがまた、ほどよい形でどんな方がこれを作っておられるのか、ぜひ会ってみたいと感じました。
※春の農作業に備えるための農具や種子のほか、鮮魚や地野菜などの特産品を販売する朝市。
とても元気でお人柄もすてきだという村上房子さん。猪股さんから教わって、鳥海山のふもとにある猿倉のお住まいを訪ねました。
聞けば、春夏秋は農家で、11月から3月にかけての雪が深い時期にカゴ作り。そして、冬の間に作りためたカゴを春から夏にかけて売っていくそうです。
——雪の季節にカゴを作るんですね。
——1日中ですか。
——きっと雪深いんでしょうね。
——いいなぁ。
ということで、村上さんのカゴを拝見。
使っている植物もさまざまで、下の写真でいえば、手前の白っぽいのがくるみ。その奥はあけび。左に見える上段に並ぶのはやまぶどうが使われています。
——カゴを編むのは冬でも、先に採集して乾かしておくんですね。
——うるがす、水にひたして柔らかくするんですね。ひとつのカゴで編み方を変えたり、色を変えたり、いろいろあるんですね。
——難しそう。
——いつも新しいデザインも考えてられるんですか。
——お弟子さんがいらっしゃるんですね。
——村上さんもどなたかに教わった?
——教わったのではなく、見よう見まね。
——このコダシ、また編み目が細かいですね。
——では相当、古いものだ。
——かごはいつから作ってられるんですか。
——もう作ってるひとが全然いない?
——作るための道具ってあるんですか。
——季節のいい時に材料さえ採っておけば、あとはひたすら作るだけ。
——今朝もくるみを採って来られたとか。
——バイクで山へ入っていくんですね。
——作ってみたい人が材料集めにやって来る。
——村上さんのはものがいいから、かなり売れるんじゃないですか。
——この家まで買いに来る人もいるんですね。
——さすが!
——植物によって耐久性も作り方も違ってくるんですね。
——それで白いのはちょっとツルが細くなるんだ。
まさにお達者な村上房子さん。お話しているだけで元気までいただきました。ありがとうございます。
【暮らしの道具と紅茶 みつばち】
〈住所〉由利本荘市東梵天67-1
〈時間〉10:30〜17:30
〈定休日〉火・水・木曜日 ※臨時休業はブログで随時お知らせ
〈blog〉https://osanpo38.exblog.jp//
〈TEL・FAX〉0184-23-2055