
17時30分。会場が人、人、人で埋めつくされるころ「昼花火」が始まりました。全国でもこの大会だけで行われるという、色とりどりの煙による競技。その独特の風情に、会場も沸き上がります。


そして、日没とともに夜花火がスタート! 全国から集まった28組の花火業者が「10号玉芯入り割物」「10号玉自由玉」「創造花火」の3種の花火を順番に打ち上げ競い合います。
その美しさと迫力は、言葉よりも、ぜひ、写真を通してご覧ください!










そして始まった、大曲花火化学工業(有)の創造花火「輝く星へ感謝を込めて…。」。新山さんが、亡きお父さんへ向けて打ち上げるという花火です。
しっとりとした音楽に合わせて、まさに星の輝く空に、語りかけるようにゆっくりと打ち上がっていく花火。新山さんが一番大事にしている色「炭火色」を基調とした、とてもシンプルな構成で、過剰な装飾がない分、一つ一つの玉に込められた思いがしっかりと伝わってきます。
会場も、それまでの賑やかな歓声から一転、感嘆のため息が聞こえてくるほどでした。





その後、最大の盛り上がりを見せる「大会提供花火」と、秋田県民歌に乗せて打ち上げられるフィナーレの花火が終わると、観客はおもむろに持参したペンライトを出し始めます。
終了後、打ち上げが行われている川の対岸に向けて一斉にライトを降り、花火師たちへの感謝を伝え、一方の花火師たちも赤色灯を降ってそれに応えるのが、この大会の恒例となっているのです。会場が一体になる時間。新山さんの願いのとおり、花火は平和の象徴であることを実感できました。





大会翌日、大曲花火化学工業の創造花火は、見事、準優勝に輝いたとの発表があり、あらためて新山さんに、お話を伺いました。
「じつは最後に少しだけ失敗して減点されてしまって。それさえなければ……という悔しさもありますが、天国の親父もきっと見てくれたんじゃないかと思います。
それでも、割物の五重芯は全然ダメでした……。2年かかるか3年かかるかわからないですけれど、みなさんに『お〜!』と言ってもらえる花火を必ず完成させます!」
花火師という仕事の奥深さを感じながら見る花火は、より一層美しいものに感じられましたが、さらに、最後の会場の一体感と新山さんの力強い言葉に、また来年もここに帰ってきたい! と思わずにはいられませんでした。
<大曲の花火 オフィシャルサイトはコチラ!>
花火師さんたちの言葉が
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