ガイドさんは入植者! 干拓博物館で大潟村のリアルを学ぼう。
大潟村(おおがたむら)は、1964年、日本で2番目に大きい湖だった「八郎潟(はちろうがた)」を干拓して生まれた村です。その大部分が農地。日本農業のモデルとなる農村を目指して作られ、全国各地からの入植希望の中から589戸が…
編集・文:矢吹史子 写真:高橋希
2019.06.12
秋田県で一番面積の小さな町、八郎潟町を巡るなか、JR八郎潟駅前で、時が止まったかのような懐かしい趣きの喫茶店に出会いました。お店の名前は「アップルの森」。看板は色あせつつも、80年代ころのものであろう、ポップな佇まいを現代も貫く潔さに惹かれ、扉を開けてみると、そこにはまさに「森」が広がっていました。
独特なメニューの世界に、注文するのも忘れて見入ってしまいましたが、迷いに迷って決定。しばらくすると、目が慣れてきたのか、りんごばかりかと思っていた店内に、いろいろなものが見えてきました。
——内装、すごい力の入れようですね! これはご自身で装飾されたんですか?
——伊達政宗、手作りなんですね!
——え! ステンドグラスまで?! なんだかご主人の美術館みたいですね!!
と、やってきたのがこちら!
——農業もやりながら、喫茶店もやられているんですか?
——となると、毎日忙しいですね。
——他にも気になるメニューがあるんですが、ここに書いてにある「パフェ 子供の夢」というのは、大人も注文できるんですか?
——こちらのお店は何年くらい続けられてるんですか?
——どういう思いでお店を始められたんでしょう?
——駅のそばだと、学生のお客さんも多いんじゃないですか?
この日は平日のランチ時間を外して訪ねたので、お店はとても静か。じっくりと店内を見せてもらい、満腹で店を後にした取材班でしたが、後日、再び訪ねてみると、土曜日ということもありお店は大混雑! そして、奥さんが話していたとおり、女性客ばかり。客足が途切れません。
——驚きました。先日と違って、今日は大盛況ですね。
——開店当初の「女性のためのお店」は今でも健在なんですね! 変わらず賑わっている、その秘訣というのはあるんでしょうか?
——長年の付き合いや経験からのおもてなしが、居心地の良さに繫がっているのかもれませんね。農業との二足のわらじは大変ではないですか?
手作り感たっぷりの店内、目が離せないメニュー表、美味しい食べ物、そしておもてなし。お二人が農業をしながらもお店を続けているのは、ここが、好きなことや楽しみを惜しみなく表現できる場だからかもしれません。八郎潟の「森」に、みなさんも迷い込んでみませんか?
【アップルの森】
〈住所〉南秋田郡八郎潟町中田60-24
〈TEL〉018-875-5126
〈定休日〉不定休
〈営業時間〉11:00~19:00