秋田との距離感。映画『泣く子はいねぇが』佐藤快磨監督インタビュー

秋田との距離感。映画『泣く子はいねぇが』佐藤快磨監督インタビュー

2020.11.11

インタビュー:藤本智士 写真:高橋希  編集/構成:矢吹史子

秋田県男鹿おが市に伝わる「ナマハゲ」。毎年大晦日に行われ、面を被ったナマハゲが集落の各家々を周り、悪事を戒め、無病息災、家内安全、豊作豊漁を願うという伝統行事です。
2020年11月20日、このナマハゲを題材に男鹿市で撮影された映画『泣く子はいねぇが』が全国で公開となります。

父親になったばかりの主人公「たすく」。ナマハゲ行事中に起こしてしまったある失態から、家族や地域との間に距離ができてしまいます。
父親として、地域の担い手として、再び向き合い、未来へと進むことができるのか。リアルな現実が切なく胸を打つ、この映画の監督・脚本・編集を務めたのは、秋田市出身の佐藤快磨たくまさん。これが劇場デビュー作となります。

なんも大学編集長の藤本智士が、佐藤快磨監督にインタビュー。映画を通して佐藤監督が伝えたかったこと、ふるさと秋田への思いなどを伺います。

佐藤快磨監督(右)となんも大学編集長藤本智士(左)。秋田市の飲食店「一や」にて、食事をしながらお話を伺った。

映画をほとんど観てこなかったんです

藤本
藤本
作品を拝見して、すごく「映画を観せてもらったな」という気持ちになりました。でも、この「映画を観た」っていう感じってなんなのか、自分でよくわからなくて。
佐藤快磨さん。是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」に所属し、初長編作2014年『ガンバレとかうるせぇ』では、ぴあフィルムフェスティバルをはじめ、数多くの国内外映画祭でも高い評価を得ている。本作『泣く子はいねぇが』は、構想から約5年をかけて制作。その間、男鹿市へ足繁く通い、地元のみなさんとの話し合いを重ね、協力を得ながら完成に至ったという。
佐藤監督
佐藤監督
ありがとうございます。ただ、僕、映画学校に入るまで映画をほとんど観てこなかったんです。なので、いまだに自分でも、どうして映画を撮っているのかわかっていない。
藤本
藤本
え〜! じゃあ、そもそも映画学校にはなぜ?
佐藤監督
佐藤監督
学生時代、ずっとサッカーをやっていて、当時のナイキのCMがカッコ良かったんです。こんなテレビCMを作りたいなって思って、そこから就活をしたんですけど、制作会社にも広告代理店にも雇ってもらえなくて、それで映画学校に入ることにしたんです。
藤本
藤本
サッカーは結構本気な感じでやってたんですか?
佐藤監督
佐藤監督
はい。ガチだったんですけど……。高校1年生の時に親に無理言って10カ月ほど、イギリスのブリッドポートという小さな町に留学させてもらったんです。交換留学という形だったので、行く場所までは選べなくて。
自分ではサッカー留学のつもりで行ったんですけど、結局、サッカーっていう面ではかなり下手になって帰ってきてしまったんです……。
藤本
藤本
えぇ〜。
佐藤監督
佐藤監督
そこから、徐々にサッカーが苦しくなってしまって、冬の全国選手権までも残れず、高3の夏に引退して。それが自分の中でもずっと未練として残ってたんですよね。
なので、映画作りというものに出会って、サッカーに代わるものがやっと見つかったというか。
佐藤監督
佐藤監督
でも、やっぱり、映画監督って、映画を幼いころからずっと観てきたっていう方が多くて、つまりは皆さん映画を愛していて……。
もちろん、自分も愛しているつもりなんですけど、たぶん一生追いつけないんですよね。
藤本
藤本
よくわかります。僕は昔フィルムカメラがすごく好きで、デジカメが出始めたとき、ちょっと嫌だったんです。
それでプロの写真家さんはどう思っているんだろうと思って、アラーキーさん(写真家の荒木経惟さん)にインタビューさせてもらったんですよ。
佐藤監督
佐藤監督
へぇ。
藤本
藤本
そしたらアラーキーさん、誰よりも早くデジカメを使ってたんです。それでアラーキーさんが「デジカメを使えば使うほど、フィルムの良さがわかるんだ」っておっしゃったんですよね。
佐藤監督
佐藤監督
なるほど。
藤本
藤本
少し違うかもしれないけど、今の佐藤監督の話を聞いて、だからこそ「映画」というものを捉えているんだろうと思ったんです。

「ナイキのCMを作りたい」と、なんとなく映像の世界に踏み込んだからこそ、CMと映画の差異というか、映画の魅力をシンプルに捉えられるというのはあるんじゃないか。僕はそこに「映画を観たな」と感じたんだと思うんです。
佐藤監督
佐藤監督
ありがとうございます。たしかにそうかもですね。
今の自分の作品スタイルというか、エンタメ性と自分の描きたいことのバランスというのは、自分と映画に距離があるからこそ出来上がったものなのかなあっていう気がしますし、「長く映画を観続けてきたわけではない自分も楽しめる作品にしたい」と思いながら作っているところがありますね。

映画が「本当」を超える瞬間

藤本
藤本
少し話を戻しますが、「サッカーに代わる映画の面白さ」っていうのは、どういうところだったんでしょう?
佐藤監督
佐藤監督
今回でいうと、ファーストシーンの撮影が本当すごかったんですよ。「ナマハゲが現れて、子どもたちが泣き出す」っていうシーンなんですが、一発録りなんだけど、撮影の際の移動距離もわりと長くて、その一発勝負のなかで、大晦日のナマハゲ行事のように本当にお子さんたちを泣かせないといけない。でも、泣いてくれるかどうかもわからないし……という、かなり緊張感の高い撮影で。
撮影時の様子
©︎2020 「泣く子はいねぇが」製作委員会
佐藤監督
佐藤監督
最初に大人だけでリハーサルをしてから子どもたちを入れて。そこから助監督の森本晶一さんがどんどん熱量を上げていくんです。「用意スタート」と始まって、子どもがワーッと泣き始めて、「カット」……っていうまでの、あの瞬間がたまらないんですよね。
映画が「本当」を超える瞬間というか、濃密なんですよね。緊張ですごく息苦しいんだけど、全員の集中力がそこに向かっていってるというか……日常生活では絶対に感じることのできない感覚で。
©︎2020 「泣く子はいねぇが」製作委員会
藤本
藤本
ドーパミンが出ますよね。
佐藤監督
佐藤監督
はい。今回、僕は初監督ですけど、助監督の森本さんは『万引き家族』や数多くの映画にも携わられている方ですし、撮影の月永雄太さんも名だたる映画を撮られてきた方で。

スタッフみんながプロフェッショナルで、その一発勝負のカットのために緻密に計算していくんですよね。だからあのシーンが撮れたときに、この映画は絶対にうまくいくって確信したんです。
今回のインタビューにも同席してくださった、助監督の森本晶一さん。
藤本
藤本
僕がふだん携わる本や雑誌づくりの中でも、そういう瞬間っていっぱいあるんですよ。
写真撮影で「秋田犬と、目の前を走ってくる新幹線を一緒に写したい」ということがあったんですが、そのために、カメラマンはもちろん、スタッフ全員が必死で準備してきて、時刻表を眺めながら「そろそろ新幹線が来るぞー」っていうタイミングで、秋田犬がちょうどいい表情をしてくれて、そこに新幹線がビューンと走り抜けたところに中判フィルムカメラのシャッター音がカシャって鳴った瞬間に「ヤッターーー!」ってなる(笑)。
藤本
藤本
つまりそれって、チームプレーってことじゃないですか。現場にいるスタッフそれぞれがプロフェッショナルな仕事をして、結果、最後にドンと昇華される。あの瞬間って、個人プレーの達成感では到達できないものだと思うんですよね。
佐藤監督
佐藤監督
そうですね。そういう感覚を味わってしまったことが、映画づくりを始めたきっかけでもありますね。
藤本
藤本
その現場体験というか、一流の皆さんが脇を固めてくれていることってめちゃめちゃ幸せですね。
佐藤監督
佐藤監督
はい。オリジナル脚本で新人監督がデビューするっていうことだけでも、かなり恵まれたことだと思うんですけれど、それだけじゃなく、先ほどお伝えしたような、現場が震える瞬間が今回の撮影ではとても多くて、すごく恵まれた作品になったなと思いますね。

言葉では言い表せないもの

藤本
藤本
この映画を観終えて、「なんで最後のシーンはああいう形で終わったのかなあ」とか、各シーンの細部の意味を、しばらく勝手に考えてしまったんですよね。
例えばテレビドラマって、場面の状況や、役柄の心境を割と丁寧に説明してくれちゃうじゃないですか。それは観ていてとても楽で、それはそれで楽しいんですけど、この映画は、観ている側に考えを委ねる部分がたくさんあったり、一見してそれはどういう感情を表しているのかよくわからなかったりする。
佐藤監督
佐藤監督
自分が撮る映画は、お芝居によって、本当にも嘘にも捉えられるようにしたいんですよ。日常生活でもそうなんですけれど、どんな言葉を吐いても「それって嘘か?本当か?」っていうのが、どこまでいってもわからないことが多い。僕は、そういうことを大事にしたいんです。
藤本
藤本
おもしろい。
佐藤監督
佐藤監督
その、どっちかわからないという状況のうえで、人の心の内側を見たい。誰かの心の内側がふと見える瞬間が好きなんですよね。どこまで行っても見れないものだからこそ、惹かれてしまうのかもしれないけれど。
藤本
藤本
うん。うん。
佐藤監督
佐藤監督
だから、僕の脚本というのは本当にただの設計図でしかなくて、太賀くん(主演の仲野太賀さん)が本音だと思って吐いたセリフを、吉岡さん(相手役の吉岡里帆さん)がどう受け取るかわからなくて、実際に受け取った吉岡さんの反応によって、太賀くんのお芝居もまた変わっていく……みたいな。そういうことが現場で起きてほしいなと思うんですよね。
©︎2020 「泣く子はいねぇが」製作委員会
佐藤監督
佐藤監督
そうすると、自分が「このセリフはこういう気持ちでこう言ってください」ってコントロールした映画よりも、いろんな人の思考が入って、結果、言葉で言い表せない顔が映し出されている瞬間があるんですよね。僕は、そういう顔を見たいというか、そういう顔がたくさん映っている映画が撮れたらいいなと思うんですよね。
藤本
藤本
なるほど。そこも「映画を観た」と感じる部分の一つだったのかもしれないですね。
佐藤監督
佐藤監督
そして、その「顔」から、観る側が思考する。セリフからではなくて、顔から伝わる、顔に感動するというか。でもそれって、普段の生活でもきっとそうなんですよね。
僕は、言葉だけじゃない、人の本当のところに触れたいと思って生活してるように思います。
©︎2020 「泣く子はいねぇが」製作委員会
藤本
藤本
そもそも言葉数の少ない作品ですよね。「ちゃんとしようよ」っていうセリフ一つとっても、言葉が少ない分、ずっしりくる。そういう表現ができる役者さんって凄いなと思いましたし、好きだなとも思いました。
佐藤監督
佐藤監督
ありがとうございます。僕は、役者さんには相反する感情を持って演じてもらっていいと思っているんですね。
藤本
藤本
どういうことですか?
佐藤監督
佐藤監督
相手が何をしてくるかもわからないし、自分もそれによって何かを変えなきゃいけないっていうことが積み重なっていったときに、すごく密度の濃いものが生まれるし、それを見ると自分もワクワクするんですよね。
藤本
藤本
つまりは、どちらにも転んでいないというか、答えを一つに絞っていないってことですね。
佐藤監督
佐藤監督
そうですね。
藤本
藤本
僕もインタビューしてるときに、相手の方に予め持ってきた引き出しを開けて話されるのがすごく嫌なんですよ。用意されたものじゃないところを聞きたい。
佐藤監督
佐藤監督
ふふふ(笑)。
藤本
藤本
でもそれって、相手も置きにきているわけではなくて「求められているものを用意する」という、プロフェッショナルな所作でもあると思うので、僕はそれを現場で攪拌かくはんしたいんですよ。結果、思ってもなかったことを話して帰ってもらいたい。
佐藤監督
佐藤監督
ドキュメンタリーってそうだなあと思うんですよね。そういう瞬間が写ってるドキュメンタリーは忘れられない。
でも僕は、普段の会話では何も引き出せないんですよね。臆病になってしまうというか、人と心を裸にして付き合ってないなっていうコンプレックスがあるんです。でも、映画作りでは不思議と開けるんですよ。
藤本
藤本
それってきっと、球体の中心にどこから入っていくかというところの違いだけで、行きたいところは一緒ですよね。

僕はどちらかというとドキュメント的な手法から入っていくのが得意で、佐藤監督は映画っていう、ある種、半分演出設計された入口から入った方がたどり着きやすいっていう、単純な入口の差のように思います。そう考えると、佐藤監督は、映画っていう、いいものを見つけましたね。
佐藤監督
佐藤監督
そうかもしれないですね。

秋田出身の、よそ者

藤本
藤本
僕は普段は関西に暮らしながら秋田の仕事をさせてもらっているんですね。なので、ババヘラアイス(ご当地アイス)もナマハゲも、「よそ者」の感覚から、俯瞰で見ているところがあるんですね。

でも、佐藤監督にとってはババヘラもナマハゲも、地元のものじゃないですか。でも、この映画では、それらがどこか、よそ者の目線で描かれているように感じました。
佐藤監督
佐藤監督
僕は秋田市生まれで、高校まで秋田市にいたんですが、大学進学で上京して、そこからはずっと東京にいて。秋田市と今回の舞台の男鹿市っていうのは、距離的にはそこそこ近いんですけれど、遠い場所なんですよね。
藤本
藤本
気持ち的な距離ということ?
佐藤監督
佐藤監督
そうですね。男鹿というより、秋田そのものに対してもそういうところがあって、「秋田が好き」とは言いながらも東京に住み続けていることに、矛盾みたいなものを感じていて。
でもじゃあ、秋田が好きだからって柳葉さん(秋田在住の俳優、柳葉敏郎さん)みたいにいつか移住するのかといったら、きっとそうすることもできない。
藤本
藤本
うんうん。
佐藤監督
佐藤監督
この映画では、そういう秋田との距離感も描いていて、主人公のたすくも、その親友の志波しばも、秋田っていう場所に愛はあるんだけど限界を感じているというか、何かが溜まってしまっている。それはもしかしたら、本当に好きで秋田で過ごしている人は思わないことかもしれない。
秋田在住の俳優、柳葉敏郎さんは本作では「ナマハゲ存続の会」会長役を演じた。
©︎2020 「泣く子はいねぇが」製作委員会
佐藤監督
佐藤監督
でもそこは正直、僕の傲慢さというか、外にいる僕が、僕だったら感じてしまいそうなことを、無理やり彼らに背負わせているのかもしれません。勝手に「秋田に住んでる友だちはこう思ってるんじゃないか」とか。
藤本
藤本
なるほど。でも、それが僕にはとてもよい意味でリアルに届きました。
佐藤監督
佐藤監督
自分は秋田市で育ちましたけど、竿燈まつり(秋田市の夏祭り)もやっていなくて、柳葉さんのいらっしゃる刈和野の大綱引きとか、ナマハゲももちろんそうですけれど、そういう、土着的な、町をあげてのお祭りなんかを何も経験してきていないっていうこともあるかもしれません。
藤本
藤本
僕は編集者としていつも思うんですけど、メディアとしては祭りに携わってる人をピックアップしがちなんだけど、実際、祭りには直接的に関わっていない人がほとんどなわけじゃないですか。僕は「大衆」として、常にそっちに目を向けたいところがあるんです。

そういう意味でのリアリティみたいなものは、この映画の中にしっかりあるなって思いました。

そういう映画を撮ったんだ

佐藤監督
佐藤監督
先日、男鹿市で試写会を開催していただいたんですが、上映が終わってから「よかったですよ」って言ってくださる方も、もちろんたくさんいらっしゃったんですけど、何も言わずに帰っていく人たちもいて。単純に「いい映画だったー!」っていう爽やかな映画ではないというか。
藤本
藤本
映画を観た秋田のスタッフも「心理描写が生々しくて、刺さりすぎる」って言ってました。
佐藤監督
佐藤監督
みなさんの反応をみて「そういう映画を自分は撮ったんだ」って、改めて思いましたね。実際、そういう映画を撮りたかったんですけど。
森本さん
森本さん
考えてみると、すごく地味で繊細な映画で、もともと映画好きの方には理解してもらえると思うんですが、男鹿でいきなりこれを観せられたら、確かにすごく難しいですよね。
藤本
藤本
たしかに。でも、僕はそう感じることに意味があると思うんですよね。

神事のなかで起こしてしまった失態だったり、狭いコミュニティだからこその人間関係とか、受け取る側もナーバスにならざるを得ない部分も多いんだけど、あれは普段兵庫県に住んでいる、よそ者の僕にすれば「秋田あるある」であって、実は「田舎あるある」でもあるから。

そこにある普遍性が描かれていて、すごく価値があると思いました。
佐藤監督
佐藤監督
今回は、主人公がある失態を犯したことで地元や家族との距離が生まれてしまうわけですけど、この主人公に限らず「あなたはどうなの?」って言われたら、誰もがそれぞれに言えないようなことをしてたりするし、それって劇中にもあった「そんな、正しく生きられないですよ」っていうところなんですよね。
佐藤監督
佐藤監督
でも、何か起きた時って、騒ぎ立ててるのはその周りの人で、忘れるのも結局周りの人で。でも、傷をつけてしまった本人は一生忘れられないことなんですよね。なので、周りがもっと想像していかないといけない。
答えは一つじゃないし、見た方々の受け止め方次第ではあるんですが、そういう映画を撮りたかったんですよね。
森本さん
森本さん
『ドッグマン』というイタリア映画があって、ずっとついてない男の話で、ずっと不幸なまま終わっていく話なんですけど、その映画全体が包む「どうしても人が不幸になってしまう雰囲気」っていうのが、今回の映画の世界観とどこか似ているなと思っていて。不幸というのは違うのかもしれないけれど、抗えないというか。
藤本
藤本
そうですよね。僕も「抗えない」っていうのは、よくもわるくも秋田らしさだと思います。

以前、田村一さんという秋田の陶芸家にインタビューしたとき、「秋田の良さってどこですか?」って聞いたんです。すると「秋田って、雪がめっちゃ降るじゃないですか……」と。で、さらにこの後が衝撃だったんですけど、「でも仕方ないか……って思うところです」って言ったんですよ。
佐藤監督
佐藤監督
へえ〜。
藤本
藤本
「どうしようもない」つまりは「抗えない」ってところに価値をも感じている人がいるのがこの秋田という町なのかなって思ったんです。
佐藤監督
佐藤監督
なるほど。
藤本
藤本
だから、森本さんが言ってくれたような「抗えないもの」に対して、どう避けるかとか、どう対処するかとかじゃなくて「仕方ねぇ、どうしようもねぇ」ってただ受け入れていくのが人生だし、この作品は、それがそのままパッケージされてるんだなって思います。
佐藤監督
佐藤監督
この映画は5年間かけて構想してきたんです。けれど、5年間、ずっと一つの思いでやってきたわけではなくて、男鹿のみなさんとの話し合いを繰り返したりするなかで、いろんな気づきをもらったり、僕自身いろんな思いを経て、こうして一つの形に行き着いたんですよね。
藤本
藤本
きっと、とてもセンシティブな部分もあったと想像するんですけど、それでもこうやって、いまこの映画が完成したことに、観客の一人として感謝しています。
佐藤監督
佐藤監督
こちらこそです。男鹿の皆さんをはじめ、秋田のたくさんの方に協力いただいたことで完成した映画なので、ぜひ観ていただけたらと思います。
藤本
藤本
今日はありがとうございました。
佐藤監督
佐藤監督
こちらこそ、ありがとうございました。
藤本
藤本
やっぱり、インタビューしてたらごはんに手がつけられなかったから、ここからいっぱい食べましょう。
佐藤監督
佐藤監督
ですね(笑)。

『泣く子はいねぇが』2020年11月20日(金)より公開
(秋田ではTOHOシネマズ秋田、イオンシネマ大曲にて11月20日より公開)
監督:佐藤快磨
脚本:佐藤快磨
編集:佐藤快磨
企画:是枝裕和
出演:仲野太賀、吉岡里帆、寛 一 郎、山中崇、余 貴美子、柳葉敏郎
配給:バンダイナムコアーツ、スターサンズ
©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

公式HP:https://nakukohainega.com/

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