白岩焼③「白岩焼」を受け継いで
70年という空白の時代を乗り越えて、白岩焼を現代に復活させた和兵衛窯。その窯元の娘として生まれ育った渡邊葵さんは「受け継ぐこと」をいつから考え始めたのでしょうか。そして2代目として制作に取り組む今、白岩焼をどのように捉え…
編集・文:竹内厚 写真:船橋陽馬
2018.11.14
藤里町でひそかに人気を集めている野菜があります。町の産直施設「白神街道ふじさと」でも早い時間に売り切れてしまうという、クレソンです。
これを一手に生産しているのが市川サツさん。台風が秋田を通りすぎた翌日、菜園で作業をしていたサツさんを見かけて、ちょっと声をかけました。
12月で80歳になるサツさんは、愛犬のララと一緒に毎日、畑へ出ています。
——ララちゃんはいつも連れてくるの?
——え、しゃべれる!?
——賢いですね!
——いま、こちらの畑で育てているのはなんですか。
——そうか、水耕栽培で育つ野菜ばかりなんですね。昔から?
——この方が楽ってわけじゃないですよね?
と言って、サツさんは芽出ししたセリを植える作業を見せてくれました。
——高いところから低い土地へ、きれいな水が流れ続けていますけど、工夫といえばそれくらい。
——白神の水と土だけで育ってるんですね。まさに土地の力。
——こうして女手だけでも育てられるってのもいいですね。
——ご自身では食べないの?
——そうか、自分の育てたクレソンやセリしか食べてないからね。
——すっかり人気なんですね。
——そういうもんですか。
——継いでくれる人が出てくるとうれしいですね。
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翌朝、サツさんが「白神街道ふじさと」にクレソンを納品にやって来ました。見ていると、納品したうちの半分以上は、すでに引き取り手が決まっています。ひと袋100円。当然、あっという間に売れてしまいます。
そんなサツさんのクレソンを味わってみたいなら、こんな方法もあります。食堂をそなえた「白神山地 森のえき」で、ラムクレ丼が提供されているのです。
藤里町の名物ラム肉に、フレッシュなクレソンをあわせたラムクレ丼。しかも、プラス料金でワサビのトッピングまで!
白神山地のふもとに広がる藤里町。その土地をまるごといただいてるようなラムクレ丼は、語感のよさも相まってさらに人気が高まりそうです。
【白神街道ふじさと】
〈住所〉山本郡藤里町矢坂字上野蟹子沢85-6
〈時間〉9:00〜17:30(3〜10月)9:00〜17:00(11〜2月)
〈定休日〉毎週水曜日(祝日の場合は翌日)、12月31日午後〜1月5日
〈TEL〉0185-71-4114
【白神山地 森のえき】
〈住所〉山本郡藤里町藤琴里栗38-2
〈時間〉9:00〜17:00 ※食堂は11:00〜14:00
〈定休日〉木曜日
〈TEL〉0185-88-8021