ガイドさんは入植者! 干拓博物館で大潟村のリアルを学ぼう。
大潟村(おおがたむら)は、1964年、日本で2番目に大きい湖だった「八郎潟(はちろうがた)」を干拓して生まれた村です。その大部分が農地。日本農業のモデルとなる農村を目指して作られ、全国各地からの入植希望の中から589戸が…
編集・文:矢吹史子
写真:矢吹史子、船橋陽馬
写真提供:小倉ヒラク、鈴木了
2019.01.09
毎年12月になると、秋田県沿岸に産卵のためにやってくるハタハタ。秋田ではこれを「季節ハタハタ」と呼びます。
かつては漁獲量が2万トンを超える時代もありましたが、近年は1000トンを下回るまでに激減。しかし、全盛期に培われた秋田県民のハタハタ愛は今も健在! この時期になると、秋田はハタハタで沸き立つのです。

ということで向かったのは、秋田県沿岸の最北端にある八峰町。この町で、ハタハタに沸き立つ人々をレポートします!


ご覧あれ! これぞ季節ハタハタ!! 水揚げされたハタハタは、ここからオスとメスに選別したのち出荷されます。秋田では「ブリコ」いう卵を持ったメスが好まれ高値が付くのです。漁港周辺で行われる住民総出の選別作業は、秋田の冬の風物詩ともいえます。



季節ハタハタは、漁船による定置網漁や刺し網漁が主ですが、漁港は連日、家庭用にとハタハタを求めてやってきた釣り人でぎっしり!
次に訪ねたのは「ひより会」という漁協女性部の加工グループ。この日は加工場で、獲れたてのハタハタで作る魚醤「しょっつる」の仕込み作業をしているとのこと。

加工場に入るなり、ありました!大量のハタハタ! この日は5名の女性が「新鮮なうちに仕込まねば!」と言わんばかりに、ものすごい勢いで作業しています。声をかけるのも憚られるくらいの活気のなか、お話を伺いました。

——1年で今日だけ?! それは、良いときに伺えました。


——わ〜!! ハタハタの影も形もなくなるんですね。加えるのは、塩だけなんですか?


——1匹丸ごと、 内臓も取り出さないんですね。

——もともと、しょっつるは、みなさんの家庭で作られていたんでしょうか?

——今年のハタハタは食べましたか?

大量のハタハタを目の前に、一心不乱に仕込みをしていくひより会のみなさんですが、その真剣な姿の奥に、どこかお祭りのような高揚感が滲み出ているのを感じずにはいられません。
その後、近くにハタハタ寿司を漬けているお宅があるという情報をキャッチ! 早速訪ねてみることに。
ハタハタ寿司とは、ハタハタを、麹、野菜、砂糖、塩、酢などで漬ける飯鮓。秋田では、大量に獲れたハタハタを寿司にして食べる習慣があるのです。
やってきたのは、八森にお住まいの干場憲三さんのお宅。突然の訪問ながら、奥さんの次子さんとともに、気さくに迎えてくださいました。早速、ハタハタ寿司を漬けているという小屋へ案内していただきます。

——わ〜!麹のいい香り。


——味のある樽ですね〜。昔から使い込んでいるものなんですか?

——結構な量の重石をかけてますね。

——毎日?! 熱の入れようが違いますね。






ご自宅におじゃまして、先ほどの寿司を早速いただいてみます。

—1匹そのまま漬けているんですね。

——いただきます。ん! この食感! このきゅっと締まった歯ごたえがちょうどいい! こだわりが出てますね〜。甘すぎず、しょっぱすぎず……バランスがものすごくいい! とっても上品な味ですね。




——ご自宅の味が一番!と。この味はお子さんたちにも引き継いでいるんですか?

——今も漬けているお宅はこのあたりはたくさんあるんでしょうか?







——秋田の人にとっては、ハタハタはなくてはならない魚ですね。


——そんなに!?


——ははは! なるほど。

聞けば、全国各地の熟れ鮨や発酵食を食べ歩いているという干場さんご夫妻。ハタハタ寿司のさらなるレベルアップにも余念がないようです。
漁獲量は減っているとはいえ、ハタハタを目の前にした秋田の人々の熱狂ぶりはまだまだ衰えていないようです。

次回は八森漁港で開かれているという「はちもり観光市」に潜入! ここでもハタハタフィーバーは繰り広げられていました。
*ハタハタをもっと知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください!(なんも大学 食と暮らし学「ハタハタ」)