男鹿のこころ 〜地域おこし協力隊 大谷心さん〜
男鹿(おが)市の地域おこし協力隊の大谷心さん。兵庫県明石(あかし)市出身。秋田公立美術大学へ進学とともに秋田へやってきて、卒業後、すぐに協力隊となり今年で3年目。あと半年ほどで協力隊の任期が終了となりますが、男鹿市でどの…
文:成田美穂 写真:船橋陽馬
2018.12.19
秋田県鹿角市の名物「鹿角ホルモン」。
「ホルモン」といえば、独特の臭みとゴムのような食感、そしていつまでも噛み切れず口の中に残ってしまう、あの……。実は、大の苦手です。
しかし、鹿角で親しまれているホルモンは、私たちがよく見る網や鉄板の上で焼かれているものとは似て非なるものらしく、「まず騙されたと思って食べてみて!」と自信たっぷりの編集部一同に押され、渋々鹿角市へやって来ました。
鹿角では、ホルモンを味わえるお店がいくつかありますが、今回訪れたのは、白い外壁が印象的な「花千鳥」。
ここで、本日のホルモン先生、山崎祐一さん(写真右)、坂本寿美子さん(写真左)合流。鹿角市で生まれ育ち、子どもの頃から鹿角ホルモンを食べて育ってきた2人に楽しみ方を教わります。
まずは、鹿角ホルモンのお供に欠かせない生ビールで乾杯!
ここから各自ホルモンを楽しみ、食べ足りなければ具材を追加して煮焼く、を繰り返していくそう。
火を止めると鍋から湯気が立ち、より一層ツヤツヤと輝くホルモンとキャベツ。少し辛そうな見た目ですが、一体どんなお味なのでしょう。
まずは主役のホルモンから。恐る恐る噛んでみると、甘辛い煮汁とホルモンの肉汁、そしてニンニクの香りが口いっぱいに広がります。いつもは苦手なプリプリ、コリコリとした食感さえも楽しく、噛めば噛むほどおいしさが増す不思議……!
店員さん曰く、企業秘密という特製ダレ。確かに、新鮮なホルモンとうまみが凝縮されたこのタレのおかげか、独特の臭みがまったく気になりません。
そして、忘れてはいけないのがキャベツたち。これでもかと煮汁を吸い、大きさは最初の半分以下になってしまいましたが、甘みは2割……いえ、5割増し。
そして、熱々のご飯の上にホルモンとキャベツを乗せ、煮汁を少しかけたら贅沢な「ホルモン丼」の出来上がり。もう見ているだけで幸せ。
お腹が満たされたところで、鹿角ホルモンについていろいろと聞いてみましょう。そもそも、ジンギスカン鍋で焼くのは羊肉だけだと思っていましたが……
自宅にジンギスカン鍋がある、ということは、必ずしもホルモン=外食ではないんですね。
人それぞれ、各家庭で楽しみ方やこだわりがあるようです。お2人とも毎日食べているくらいの勢いを感じますが、ふだんはどれくらいのペースで食べるのでしょうか?
もうひとつ気になるのが、ホルモン屋さんの営業時間。
例えば、今回お邪魔した花千鳥さんの開店時間は朝10時。ということは、その時間からホルモンを食べたいお客さんがいるってことですか?
大胆かつワイルドな「鹿角ホルモン」という食文化。秋田県内の他の地域にはない、独特な空気をまとっていますが、この地に根付くきっかけは何だったのでしょう?
単なる名物の枠を超え、文化として人々の暮らしに浸透し、もはや切り離すことができない鹿角とホルモン。作り方にひと手間あるのもまたよし。「鹿角ホルモン」は、鹿角という町だからこそ生まれた、唯一無二のカルチャーでした。
【花千鳥】
〈住所〉鹿角市花輪堰向10
〈時間〉10:00〜23:00
〈定休日〉月曜日・1、5、8月は不定休