宿泊客の7割が外国人。人と自然をまたぐ宿「ORIYAMAKE」。
北秋田市根森田(ねもりだ)地区。住民は28世帯80人という小さなこの地区に、「ORIYAMAKE(オリヤマケ)」というゲストハウスがあります。ここは、織山英行(ひでゆき)さん、友里(ゆり)さんご夫婦が営む宿。2018年に…
編集、文:矢吹史子 写真:鄭伽倻
2021.05.26
朱色で書かれた「焼肉のたれ」の文字。
無骨なパッケージを開けて、ひと舐めすると、パッケージに負けない力強い第一印象! でもそのあとに、辛さ、酸っぱさ、香ばしさ、まろやかさ……さまざまな印象が繊細に口の中を駆け巡り、最後には優しい甘さが残ります。
「一度食べたら離れられない!」という人も少なくないこのたれ。造っているのは横手市十文字にある「シバタ食品加工」。
今回、この工場を訪ねたところ、この美味しさの背景には、創業者の柴田勝治さんが大切にしてきた、驚くほど丁寧な製造工程と、人との繋がりがあることがわかりました。
工場に着くと、外までたれの甘辛い香りが漂っていました。出迎えてくださったのは、創業者の次女で現代表の地主知加子さん。
この日はたれを瓶に詰める作業をしているとのこと。早速、見学させてもらいます。
——え? たれを瓶に入れる作業も人力でやっているんですか?
——打栓機を入れるまでは、蓋を閉めるのも手作業だったんですか?
——改良した今でさえ、かなりの手作業ですよ……。
——スタッフは何人くらいいるんですか?
——ずいぶん少人数でやられているんですね。原料はどんなものを使われているんですか?
——味噌は、このたれの原材料として使われるものですよね? それも手造りしているということですか?
——え〜〜!!
——梅干しまで手造り? でも、このたれにおける梅干しの分量って、そこまで多くはないですよね?
——そのわずかな量の梅まで手造りとは……。
——そこまでご自身で……。仕込みが始まる11月に向けて丁寧に材料を作り溜めていくんですね。
——最近は全国に流通されているようですね。
——へ〜〜!!
——たれのパッケージには「手造り」「無添加」が大きく書かれていますが、これは創業時から変わらないんですか?
——どうしてそこにこだわったんでしょう?
——子どもたちが安心して食べられるように、と?
——地元でも焼肉のたれはすぐに受け入れられたんでしょうか?
——営業マン時代の人脈を生かして!
——全国のファンからの反響もあるのでは?
——細やかな心遣いが根強いファンを作っているのかもしれませんね。
——すごいですね! 伸び続けているのは何が影響していると思いますか?
——お父さんの考えで大事にしていることはどんなところでしょう?
——当たり前すぎて、そこが魅力とは思っていなかった?
——お父さんには先見の明があったんでしょうね。
——みんなに愛されているし、みんなを気にかけている方だったんですね。
——次の世代の方がそれを活かすことができるかもしれませんよね。
——お父さんはもちろん、知加子さんも常連さんを大事にされている。そういう積み重ねが今の人気に繋がっているように感じます。
【シバタ食品加工】
〈住所〉横手市十文字町腕越字山道端75-17
〈TEL〉 0182-42-2173
〈HP〉http://www.tareya.com/