花輪ばやし⑤まつりのあと
8月20日、花輪ばやし2日目。谷地田町、佐藤さんはこの日がお祭り引退の日。どんなフィナーレとなるのでしょう。前日同様、この日も大勢の観客が待つなか、お駅前行事が行われます。その後、幸稲荷神社のある「赤鳥居」に全ての町内の…
編集・文:竹内厚 写真:蜂屋雄士
2018.04.25
お米を買うときは、あきたこまち、コシヒカリ、ひとめぼれなど、銘柄を指定して買うのがごく一般的だと思います。米どころの秋田にあっては、実家や親戚、知人からあきたこまちをもらっているという人も少なくないようです。
そんななかで、積極的にブレンド米の販売も続けるお店が秋田市にありました。一体、どうしてまたブレンド米なんでしょう。
平沢商店の平沢敦さんは、家業の米屋を継いで約35年。ちょうど「あきたこまち」が誕生したのと同じ年に米屋となったといいます。
当時はまだ、米の流通・販売は認可を受けた業者に限られていたこともあって、米屋の商売はかなりシンプル。精米された米を仕入れて販売、配達することでも成立していました。ところが、そんな米の流通規制も1995年には大幅に緩和。当然、ただ店に並べて売るだけでは、量販店に太刀打ちできない時代がやって来ました。
精米機といえば、街角にあるコイン精米機のイメージだった人にとってみれば、巨大に感じる平沢商店の精米機。「これでも小さい方」なんだそうです。コイン精米機は便利なようでいて、白さを調整する選択の幅がせまくて、多くの人が選ぶ「上白」では、米の水分が蒸発するくらいに温度が高くなりすぎて、米をダメにしてしまうケースも少なくないとのこと。
農家が身近なだけに、玄米の状態で手にする機会の多い秋田県民が、実はその精米段階で米を損なってしまって、おいしいごはんを食べてない可能性もあると平沢さんは言います。
米と米屋の当たり前が少しずつ変化してきた現在、平沢さんはさまざまなチャレンジを続けています。ブレンド米もそのひとつ。寿司や鰻といった飲食店からの「単品銘柄では物足りない」という声を受けて、3-4種類の銘柄を配合、握りやすくハラリとした食感の寿司米や、鰻のタレが染み渡り、粒感のある鰻重米など、職人さんの要望に合わせた米を生み出しています。さらには、ブレンドすることで、もっちり好きもあっさり好きもおいしいと感じる万人向けの味にしたり。こちらはお弁当にオススメで、冷めたときに真価を発揮します。
自宅では365日の朝昼晩、違った米や炊き方でごはんを食べる。夏場の休日はほぼ田んぼ巡りに費やして、生産現場を自分の目で見てまわる。だからこそ、「何でも聞いてください」と米のよろず相談所として悩める家庭や飲食のプロからも信頼される存在に。
あまりに日常で意外と見直すことの少ないごはんのこと。プロフェッショナルな平沢さんと話していると、新しい米の世界が開けてきました。
【お米の専門店 平沢商店】
〈住所〉秋田市大町5丁目7-18
〈時間〉8:30〜19:00
〈定休日〉日曜・祝祭日・年末年始
〈TEL〉018-862-4032
〈ホームページ〉http://www.umaiokome.com/